

実は不動産業とは関係のない、略なのです。
創業が明治19年という老舗で、明治時代は日本で五指に入る大きな染め物工場だったようです。
繊維業が下火になり、ささやかに不動産の分譲と仲介も手掛けている会社でした。
この会社の御曹司が私の大学のときゼミの同級生だったのです。
一緒に勉強したり遊んだりした親友です。
彼は跡を継ぐべく別の会社に入り武者修行をしていましたが、難病にかかり平成元年の夏に亡くなってしまいました。
1人息子でした。
お父上はすっかり気落ちしてしまい、4年ほど過ぎたとき、もう会社を閉じたいと言い出したのです。
会社としての借金はほとんどありませんでしたが、売り上げもほとんどなくなっていました。
そのお話をうかがったとき、私はもったいないと感じました。
100年を越す伝統があり、事務所も銀座の交詞ビルという格式のある場所に構えています。
何より親友が夢をかなえようとしていた会社です。
がんばれば何とか会社は建て直せますからということで入社し、取締役不動産部長になって営業を始めました。
数年して、何とか売り上げも上がり、会社も再び軌道に乗せることができました。
亡き親友のお父上もほっとされたのでしょう。
もうだいぶ齢なので、跡を継いでほしいと言われました。
謹んでお受けすることとし、社長を継ぎました。
当時私は、不動産鑑定業と不動産仲介という二足のワラジをはいていました。
両方を完全に分け、不動産鑑定業のほうは別の看板をあげていました。
不動産の仲介業者が鑑定業も兼ねたらおかしいという思い込みがあったからです。
しかしだいぶたって、この思い込みをふっ切ることができ、2つの看板をひとつにしました。
自分の中で、不動産鑑定でつける価格(正常価格:通常の価格)と実際の売買価格(買う人が認めた最高価格)は違うものだという割り切りがつけられるようになったからです。
わかりやすく説明しましょう。
たとえば自動車は、100万円という価格がつけば、それは100万円の価値があるということになります。
しかし、土地はそう簡単ではありません。
鑑定士が坪8万円と評価しても、10万円で買いたいという人がでてきます。
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