みなとみらい司法書士事務所
 
 



免責制度の実際

免責制度の近年の傾向

免責不許可事由

免責不許可事由の検討
1.財産の不利益処分
2.
商業帳簿作成義務違反
3.浪費・賭博
4.破産原因と詐術











 自己破産 免責不許可事由の検討 3

浪費・賭博

 破産原因が、形式的に浪費やパチンコ・競艇等の射倖行為によって形成される人も少なくなく、特に、昨今賭博性が高まったパチンコの資金のために多重債務に陥る債務者が増加傾向にあるともいえる。
 破産法に定める免責不許可事由としての行為は、賭博等射倖行為により「著しく財産を減少し」、「過大な債務を負担」した場合である。個人破産の場合、事業主が破産する場合とクレ・サラによる消費者破産とに大別できるが、事業者が事業資金として借り入れた金員を個人的な浪費・賭博に充てるのは非難されるべき行為であるが、消費者が自己の経済活動のために借入行為をし、自己の遊興のためにその一部を消費し、または合法的なギャンブルによってその一部を使用すること自体は、必ずしもすべてが社会的非難の対象となるものではない。
 したがって、過去にこれらの行為をしたことがある人が、すべて免責不許可事由に該当するわけではなく、破産者の収入や資産に対比して必要かつ通常の程度を超える不相応な支払を伴う場合と解され、その事由が軽微であったり特別な事情のある場合には免責が許可される。
 具体的には、破産者の免責不許可事由に該当する行為に及ぶに至った経緯、破産者の更正の可能性などの事情を斟酌して免責を許可した例(東京地決平成2・9・7消費者法ニュース5号25P)。また、破産者には昭和62頃競馬に年間150万円を消費していた経過があったが、当時は共働きで相当の収入が見込めたので150万円のギャンブルが直ちに「著しく財産を減少」させたことには該当しない事情があったとして免責を許可した例(大阪地決平成4・7・31消費者法ニュース13号29P)。免責不許可事由の存在を認めながら、抗告審係属後に債権者らに債権総額の一部を弁済しているこのなどを理由として裁量により免責を許可した例(仙台高決平成5・2・9判時1476号126P)などがある。
 例えば、飲酒等の浪費により多重債務に陥ってしまった場合などでは、それほど飲酒に溺れた理由、たとえば失業や離婚などの事情の有無、もしも失業が原因であったのなら失業に追い込まれた事情など、浪費した原因や程度を徹底的に分析する必要がある。
 また、パチンコなどの賭博行為により多重債務者に陥ってしまった場合では、働けど働けど低所得しか得られる、生活の糧を効率的に得るためにパチンコ等に頼り、その度合いが増して多重債務に陥るケースがかなり多い
 なお、多額の住宅ローンの返済のために消費者金融を利用して破産申立てに至ったケースにおいて、住宅購入時の資産・返済能力に対比すれば住宅購入代金は極めて多額であり、不相応な支出であったとして浪費にあたると判断された事例があるが、バブル経済の崩壊など通常人が予想することができない経済状況の変化など、債務者の見込み違いを直ちに非難することもできず、行為の違法性および債務者としての不誠実性が顕著とは言い難いとして裁量的に免責を許可したものもあるので、パチンコなどの遊興費だけでなく、住宅ローンんなどの場合にも浪費と判断されることがあり得ることを注意しておくべきである。

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