みなとみらい司法書士事務所
 
 



免責制度の実際

免責制度の近年の傾向

免責不許可事由

免責不許可事由の検討
1.財産の不利益処分
2.
商業帳簿作成義務違反
3.浪費・賭博
4.破産原因と詐術











 自己破産 免責制度の近年の傾向

割合的一部免責の増加

 債務者が破産を申立てる究極の目的は、免責許可を得て負債を支払わなくてよい法的状態をつくり、債務者が負債から解放されて経済的更正を図る趣旨であるので、破産申立にあたって免責不許可事由の検討は重要である。
 破産法の規定では、破産者からの、免責の申立に対して裁判所は、免責を許可するか許可しないかのいずれかの判断をしなければならないが、ここ数年、債務残高の何割かを積み立てさせて配当させる「東京地裁方式」と呼ばれる方法や、免責不許可事由がある場合に限って同様に一部配当させ、これを履行しない場合に債務の一定割合を免責しない「割合的一部免責」と呼ばれる方法が弾力的に運用されている。
 「東京地裁方式」や「割合的一部免責」は、多重債務者に免責不許可事由がある場合に、一部を配当させることを条件として免責を許可し、多重債務者の救済に資するために運用されるのであれば歓迎するが、実際には免責不許可事由のない場合にも一部行われているようであり、問題である。

 一部には、「安易な破産が横行している中、一部分でも配当させるのは市民感情に合致する」「教育的意義がある」との意見もあるようであるが、これらの意見はクレ・サラ被害の構造的問題、債務者の生活実態を無視した議論である。
 しかし、これらの方法が生まれたと言われる東京地裁では、破産申立に法律実務家が全く関与していない純粋な本人申立てが多いという実体がある。このような場合は多重債務者本人が多重債務に困窮して東京地裁へ相談に行き、窓口で手渡される用紙に書き込んで申立をしていたが、申立書を理論的に説得力をもって記載できる債務者はわずかしか存在しないことが容易に想像され、その結果、破産申立書の記載からは、裁判所は背景事情を背各に把握できないこととなる。債務者審問を行ってもその事情が理解できない場合、少々のパチンコ等の経験があるだけでその印象だけが独り歩きし、裁判所としても一部配当を条件としなければ免責を許可できないと判断せざるを得ない。「東京地裁方式」が普遍化してしまった背景には、このような実務上の問題があると考えられる。

 これらにより生まれた「東京地裁方式」「割合的一部免責」の是非はさておき、これらについては、債務者の審尋時に裁判官から何らかの示唆を受けることが多いので、破産決定の後に記録を調査したうえで再度検討する必要がある。

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